【追悼】見た目ほど怖くない「軍国喫茶と戦史館」
これ、スルーできます?
どうみても、セルフビルドだし
変にカラフルでやたらと怪しい匂いを放つ文字列が多い
そして、ちゃんぽんやうどんとか書いてあるので食事がとれそう。
営業中とも書いてあるので、ならば入ってみるしかない!
軍国喫茶の中はカウンターと小上がりがあり、最大で20人くらいは入れそう。
(が、一度に対応できるのは2~3人だろうな)
うどん300円から、唐揚げ定食でも500円という安さ。
なお、1杯出てくるのに10分はかかる。唐揚げ定食もおそらく衣を作るところからはじめていると思われる。なので、食事を食べるなら最低30分は見ておいた方がいい。
横道さんは右翼思想家ではない。
料理を作っている間も横道さんは話しかけてきます。
軍国酒場や戦史館はなぜできたのか?
横道さんは戦時中はまだ中学生で戦場に出た経験はない。ならなぜこういったお店を作ったのか。
鹿児島訛りが強くあまり聞き取れなかったのと、記憶があいまいなのでザックリ書くと…
横道さんは昔仲間の保証人になり数千万円の借金を背負ってしまったとのこと。時を同じくして鹿児島には戦争帰りの人が多くおり、そんな人たちを励ますために「軍国酒場」を作ったと。戦争賛美ではなく、横道さんが見ているのはあくまで「人」。そう軍国酒場は人々に元気になってもらうためのお店だったのだ。
西郷隆盛があまり好きではない?
鹿児島では西郷隆盛が大人気!だけど、横道さんはあまり好きではないとのこと。その理由は西郷さんは「国のためなら死ぬ」という教えを広めたからだとか。その教えのせいで戦争で多くの若者が亡くなってしまったと。同様の理由で昭和天皇もあまり好きではないそうな。
なぜヘルメットを被っているのか?
横道さんはいつでもヘルメットを被っている。
なので、なぜヘルメットを被っているの?と訊ねたところ、「頭をぶつけてしまうから」と単純明快な答えが返ってきた。他にも理由はありそうな気もするがひとまずそういうことだ。
戦史館の入場料は300円。横道さんが直接案内してくれる。
やぐらをくぐると、中は戦史館まで続く通路になっている。
そして、そこにもコンクリートの模擬爆弾や、アメリカ軍が落とした不発弾の展示が。
やぐら内と、やぐらを下から見上げた写真
これをひとりで組み立てるとか…。
たしかに油断すると頭を打ちかねない低めのアーチをくぐって戦史館へ
戦史館の中には模型や軍服や装備品、切り抜き、昔のお金など様々なものが展示されている。
個人でこれだけの物を集めたということで横道さんも誇らしげ。
「軍国喫茶」の二階に移転?した「軍国酒場」も見せてもらった。
軍国酒場に置いてあるマネキンたち
横道さんのマネキンの使い方はなかなか独特
LDで軍歌もかけてくれました。集まった人たちと軍歌を合唱するそう。
軍国喫茶は10時くらいから17時くらいまで。
それ以降はこの酒場がオープン。人が居る時は22時くらいまでやっているとのこと。
外観を見ると一見怖い場所だけど、横道さんは変な思想も押しつけてこないし、とても優しい方なので興味を持った方は是非訪れてみてください。
2024年追記
再びこの地を訪れました。
戦史館が「開館中」となっていたので入ってみたところ、横道貞美さんの娘婿さんが片付けをしていたので話をしてみたところ… 横道さんはすでにお亡くなりになっていると。
櫓が台風に飛ばされると危ないからと櫓を解体したのが2020年。
それから2年後にお亡くなりになってしまわれたとは。
行くたびに何度でもコーヒーを注いでくれた横道さん。もう一度会いたかったです。
横道貞美さんの御冥福をお祈りします。
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