鶴田ダムの放流を見にいった。

九州、特に鹿児島に来てからというもの、梅雨時期は毎年大雨を身近に感じるようになりました。

今年の梅雨も何度となく大雨が降り、ヒヤッとすることはあるものの、私の住む薩摩川内市は今のところ大きな被害も出ずに至っています。


その薩摩川内市を流れる一級河川「川内川(せんだいがわ)」の上流にあるのが「鶴田(つるだ)ダム」。この鶴田ダムこそが、下流のさつま町、薩摩川内市の守り神といっても過言ではないのです。

2020年7月3~5日、九州南部は「50年に1度」ともいわれる大雨に見舞われました。
球磨川が氾濫し、人吉市街の大半が水没してしまうという痛ましい事故が起き、今もまだ救出作業が続いています。


そして、今日7月7日も雨は降りづづいています。
が、7月6日、薩摩川内市周辺は雨が小康状態になったので、そのタイミングで鶴田ダムを見に行きました。



■コンジットゲート全6門から放流

現場に着くと、鶴田ダムは新旧のコンジットゲートをすべて開けて放流していました。
ゴォォォォォーーーーと凄まじい勢いで押し寄せる水の音がまるで大瀑布のようです。
その時の放水量は1秒間に1650t(1650㎥/s)あまり。


以前にも、鶴田ダムの放水を見たことがありますが、その時は新設された画面左側のコンジットゲート3門からの放流(830㎥/s)だけでした。←それでも凄い水の勢いだったんですけどね。

2018.7.8撮影



■水の動きがとにかくカッコいい!


撮影中も何度となく雨がパラパラ降ってきたのですが、目の前で放出される水の動きがめちゃくちゃカッコよくて、ずっと外に出てダムを眺めていました。えぇ、1秒たりとも同じ風景はないもので。

現場の雰囲気を味わっていただきたく思い、ただダムが放流するだけの動画を作ってみました。
30分もの長尺ですが、時々水をズームで映しているだけで、特に何があるわけでもありません。じっくり見ていただくより、ぼんやり眺めていただければいいかと思います。

4Kで撮ったので、スマホより大画面のモニタ・テレビ・プロジェクターなどに映していただければ、より臨場感が増すかと思います。


一方こちらはダム湖の様子
当日のダム湖



この写真からもわかる通り、貯水量にはまだ余裕があります。
次の大雨に備えるべく、下流の状況を考慮しつつ放流していたのです。


なお現場を訪れてから約1日経ち、現在貯水率は100%から0%になり、貯水量はマイナスまで下がっています。これでまた多少強い雨が降っても大丈夫!


■鶴田ダムの効果:7月8日追記

私が見に行った時のダム操作に関しての発表がありました。

資料によると、鶴田ダムの働きにより下流の河口水位が1.87m下がり氾濫危険水位を回避できたそうです。








■鶴田ダムは見学もできる!(蛇足)

平常時の鶴田ダム(ダムの許可をいただき撮影)

ついでに書いておくと、鶴田ダムは「ダムコンシェルジュ」という係りの人がいて、ダム堤内の見学会も常時行っています。(7月7日現在コロナ禍のため見学会をいったん休止しているようです)
九州最大級の重力式コンクリートダム「鶴田ダム」。その迷路のような堤内を歩いたり、今回放流していたコンジットゲートなども間近で見学できます。

しかも、見学内容は見学者の都合や好みに合わせて組んでくれます(ほかに見学者がいない場合)。

例えば、「30分しか時間がないけど中を少し見たい」とか、「2時間くらいかけて撮影もかねて見学したい」とか、見学の予約時に要望を伝えておくとなるべくそのようにしてくれます。

見学スポットとしても素晴らしい場所なのです。
鶴田ダムの下流に住む人はもちろんのこと、鶴田ダムが気になる人は是非とも現地を訪れてみてください。

もうひとつついでに、さつま町の飲食店では鶴田ダムカレーを提供しています。
ダム見学の後はダムカレーを食べるのもいいですよ!
https://bukeyashiki.goat.me/clP3Vka7sc

梅雨はまだ続いています。
今回のような大雨もあるかもしれませんが、大きな水害ないよう鶴田ダムの活躍を期待しています!

武家屋敷の日々リターン ~入来麓武家屋敷での回顧録~

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小島健一

ここ十数年「社会科見学」や「地下施設」をWEB、書籍、テレビなどで紹介しています。
九州最後の炭鉱「池島」ではタモリさんをご案内(ブラタモリ)。
その後、長崎大学で軍艦島の3D化研究とかしてました。
鹿児島の武家屋敷を拠点に全国武者修行後、現在は埼玉在住。

https://www.kenichi-kojima.com/